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NATIONAL SURIMI MANUFACTURERS ASSOCIATION

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冷凍すり身の製造技術・装置の変遷

冷凍すり身の生産は昭和35年(1960)から始まりましたが、製造装置は当時すでに開発されていた機械を 組み合わせて使用し、製造しつつ技術と装置の開発が同時に進められました。水産加工業の一般的な傾向なのですが、冷凍すり身は、その製造理論・装置がかな り未完成で事業化が進めらました。
冷凍すり身製造の基本工程は、原料魚洗浄、魚体処理、採肉、水晒し、脱水、添加物混合、凍結で開発当初から不変ですが、その後各工程の効率化、裏ごし工程の導入、連続運転化が進められました。
開発当初からの製造方法のおおまかな変遷をまとめたのが「表1」です。もちろん以西魚すり身とスケトウダラすり身とでは、また陸上と洋上とでは、同種の機械でも導入時期が違うし、現在でもそれらの間にかなり相違がみられます。

表1の(1)は、昭和36年(1961)すり身開発当初の製法ですが、採肉・水晒し・脱水方法などすべての面で毎年のように改良が行われました。
当初フィレ-で水晒しされていたものが落し身晒しに変わり、水晒し装置も手動から撹拌装置付きになり、脱水も胴締め油圧プレスから遠心脱水機に変わりまし た。添加物も砂糖、ソルビット、重合リン酸塩に統一されました。製品水分や弾力など、製品の安定性はまだ不十分でしたが、昭和40年(1965)でほぼ冷 凍すり身の基本的な技術ができました。
昭和40年頃から洋上すり身の商業生産が始まり、魚体処理機の開発、回転フルイによる水晒し用水の低減、冷却式裏ごし機の開発、脱水用スクリュ-プレスの開発が昭和40年~昭和45年(1970)に行われました(「表1の(2)」)。
昭和47年(1972)に裏ごし機処理より肉温上昇の少ないリファイナ-処理方法と機械が開発され、現在とほぼ同様な工程ができあがりました。
また、この時期陸上工場では、北転船によるスケトウダラの漁獲が増大し、その処理としていままでのフィレ-処理からドレス処理にとどめて採肉し作業効率をあげる大量処理大量生産に変わり現在に至っています(「表1の(3)」)。

表1 冷凍すり身製法の変遷
(1)初期1961年当時 魚体洗浄 ・・・ 魚洗機

魚体処理 ・・・ 手処理フィレ

洗  浄 ・・・ 魚洗機

魚肉採取 ・・・ スタンプ式

水 晒 し ・・・ 換水式で3~5回

脱  水 ・・・ 油圧式圧搾機のち遠心分離機

挽 き 肉 ・・・ チョッパー

添加物混合 ・・・ らい潰機

凍  結
(2)中間期1970年頃 魚体洗浄 ・・・ 魚洗機
↓    
魚体処理 ・・・ 手処理フィレ
洋上は機械処理
↓    
洗  浄 ・・・ 魚洗機
↓    
魚肉採取 ・・・ キャタビラ式orロ-ル式
↓    
水 晒 し
(2~4回) ・・・ 換水式槽と回転フルイの併用
↓    
脱  水 ・・・ スクリュープレス
↓    
夾雑物除去 ・・・ 裏ごし機
↓    
添加物混合 ・・・ リボンミキサー
↓    
凍  結 ・・・ コンタクト式orセミエアブレスト式
(3)現  在 魚体洗浄 ・・・ 除燐機
↓    
魚体処理 ・・・ 手処理ドレス洋上は機械処理フィレ
↓    
洗  浄 ・・・ 魚洗機
↓    
魚肉採取 ・・・ 大型ロ-ル式
↓    
水 晒 し
(2~4回) ・・・ 撹拌槽と回転フルイの併用
(予備脱水 ・・・ スクリュープレス)
↓    
夾雑物除去 ・・・ リファイナー
↓    
脱  水 ・・・ スクリュープレス
↓    
添加物混合 ・・・ リボンミキサーorハイニーダー
↓    
凍  結 ・・・ コンタクト式orセミエアブレスト式

冷凍すり身製造の工程の特徴として、水晒し方法の研究とリファイナ-の開発が冷凍すり身独自のものといえます。
水晒しは、魚肉中に含まれる冷凍変性促進成分の除去や色調の向上のために冷凍すり身製造では最も重要な工程です。
陸上工場の水晒しは3、4回行いますが、洋上では2回しか行われずさらに1回の用水量も少ない。
もう一つの冷凍すり身独自の工程としてリファイナ-処理があります。冷凍すり身は、練り製品の原料として普及したため、黒皮や小骨、スジ、鱗を除く裏ごし 処理が必要でした。当初、肉挽機で処理していましたが裏ごし機に変わりました。しかし、冷却式裏ごし機でも肉温が上昇する欠点がありました。
そこで昭和47年頃に肉温の上昇が少ないリファイナ-処理が開発され、はじめ陸上工場で、ついで洋上工船でも採用されました。
リファイナ-処理では、脱水前の晒し肉をリファイナ-を通して黒皮や小骨、スジ、血合肉などの夾雑物を除去するため肉温があがらなくなりました。
しかし、製造機械の発達した現在でも原料の鮮度管理、内臓の完全除去、ドレスやフィレ-の洗浄といった採肉工程に入るまでの処理をいかに注意してやるかで品質の大半が決定されます。