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スケトウダラ冷凍すり身のゲル化に及ぼすpHの影響

論文要旨&講演要旨

スケトウダラ冷凍すり身のゲル化に及ぼすpHの影響.
平成13年度日本水産学会春季大会講演要旨集,p179
北上誠一,和田大人,村上由里子,新井健一(全国すり身協会),阿部洋一(阿部十良商店),安永廣作(中央水研)

目的

一般に冷凍すり身のpHは6.6~7.5で、これは塩摺り肉(肉糊)のゲル化能が最高になるpHとほぼ一致する。また重合リン酸塩(ppi)の役割の一つはpHの調節作用にあると報告されている。本研究では、スケトウダラの加塩及び無塩すり身のpHがそのゲル化能に及ぼす影響について明らかにしようと試みた。

方法

加塩(2.5%食塩+8%糖質)、無塩(5%糖質+0.2%ppi)及び無塩-無リン(8%糖質)のすり身を凍結貯蔵後、肉糊にK2CO3を加えてpHを 6.6~9.4として、25℃で8時間加熱後、90℃で30分、または90℃で30分加熱してゲル化、破断強度(BS)、破断凹み(bs)を測り、ゲル剛性(GS=BS/bs)とBSの関係からかまぼこの品質を比較検討した。

結果

(1)ppiを含むすり身はK2CO3が0.25%まで、ppiを含まないものでは0.4%まで、添加量に比例してpHが上昇した。また、ppiが共存するとpHが全体に高くなった。

(2)ppiを含む無塩すり身の肉糊はpHが7.2~7.8で、ppiを含まない無塩と加塩すり身の場合はpH7.5~8.2で高いゲル化能を示した。

(3)GSとBSの関係直線を比べると、無塩すり身からは、加塩すり身よりも弾力に優れた硬さのゲル化製品が得られるが、これは冷凍貯蔵期間が長いほど顕著になった。加塩すり身ではK2CO3無添加(pH6.64)よりも添加(約0.2%、pH8前後)の方が弾力に優れた硬さの製品となるが、無塩すり身からは、ppiの存在に関係なくK2CO3添加(pH8前後)の効果は大きくなかった。また、pH8以上になると、BSの増加が起こり難くなった。

これらの結果は、肉糊のゲル化に関する限りは、すり身のpHを8前後まで上げることは好ましいが他の添加物の影響も考慮する必要があることを明らかにしている。