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低温度域におけるスケトウダラ冷凍すり身の特徴的ゲル形成能.

論文要旨&講演要旨

低温度域におけるスケトウダラ冷凍すり身の特徴的ゲル形成能.
平成15年度日本水産学会大会講演要旨集,p197
北上誠一,村上由里子,新井健一(すり身協会),阿部洋一(阿部十良商店),小関聡美(北大院水),加藤登(東海大海洋)

目的

国際的に通用する冷凍すり身の規格化を図り、併せて機能の有効利用を計るために、スケトウダラ冷凍すり身のゲル形成能に対する温度の影響を調べているが、今回は低温度域の加熱の影響を詳細に検討した。また、尺度として、破断強度に加えてゲル剛性を応用する試みを行った。

方法

冷凍すり身(FA級と加塩2級)を解凍し、終濃度3%NaClで塩ずり後、5~75℃の間の一定温度で加熱し(予備加熱ゲル)、経時的に一部を 90℃で30分加熱(二段加熱ゲル)した後、冷却し、レオメーターにより、φ5mm球形プランジャーを使用して、破断強度(BS)、破断凹み (bs)を測定し、ゲル剛性(GS=BS/bs)を算出した。また、ゲル化速度に関して熱力学的な解析を行った。

結果

5~35℃においては、BSとGsは経時的に増加するが、その速度は高温になる程大きくなる。BSとGsの間には良い正の相関があり、このうち二段加熱ゲルのBSとGsの関係を表す一次式は予備加熱温度に関わりなく良く一致することを認めた。また予備加熱ゲルのBSとGsは本加熱により大きく増強され、その最大値はほぼ同じになった。なお、一般に予備加熱ゲルについて得た両値の関係直線は二段加熱ゲルのそれよりも同図中の左方に位置するが、 15℃以下の低温で形成される予備加熱ゲルのそれは二段加熱のゲルのそれと合致し、より低温でのそれは逆に右方に位置することを知った。40~60℃ においてはゲルの物性値はむしろ減少するが、65℃以上でほぼ一定値を保持するようになった。また本加熱により物性値は余り変化せず、BSとGsは低値にに留まり、両値の相関は小さくなった。これらの事実は、ゲル化過程の厳密な温度管理が極めて重要であること、また35℃以下における二段加熱ゲルの BSとGsの関係式はその冷凍すり身固有のゲル形成能を表す尺度として利用できることを示した。