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塩ずり肉の加熱に伴うゲル物性の変化と牛血漿粉末添加の影響.

論文要旨&講演要旨

塩ずり肉の加熱に伴うゲル物性の変化と牛血漿粉末添加の影響.
平成13年度日本水産学会北海道支部大会講演要旨集,p312
北上誠一,新井健一(すり身協会),阿部洋一(阿部十良商店)

目的

牛血漿粉末が、かまぼこの品質改良剤として注目されたのは、パシフィック・ホワイテングの冷凍すり身の開発に役立ったことに端を発している。これが添加される理由については、パシフィック・ホワイテング筋肉に寄生する粘液胞子虫が放出するタンパク質分解酵素の活性を阻害するためであると言われている。しかし、牛血漿粉末の代わりに卵白が添加されることもあり、またパシフィック・ホワイテング以外の魚種の冷凍すり身に対して添加される場合もある。そこで、本研究では、スケトウダラとシロザケの冷凍すり身を用いて、これらのゲル形成能に及ぼす牛血漿粉末添加の影響を調べた。

方法

スケトウダラとシロザケの冷凍すり身を解凍して調製した塩ずり肉に牛血漿粉末(以下プラズマとよぶ)を添加して、一定温度(25~40℃)で数時間にわたり加熱した後、経時的に一部を取り出して、さらに90℃で30分間加熱してゲル化させ、レオメーターで破断強度(BS)と破断凹み(bs)を測定した。また、かまぼこのゲル物性上の特性としてゲル剛性(Gs=BS/bs)を計算で求め、破断強度との関係を検討した。

結果

スケトウダラの塩ずり肉に0~5.0%のプラズマを添加し、30℃で予備加熱してかまぼこを調製すると、BSは0.5%の添加で最高値となり、bsは 1.0%で最高値に達した。一方、シロザケの塩ずり肉にプラズマを添加し、25℃または40℃で予備加熱してかまぼこを調製すると、25℃の場合は、BS は添加量が多いほど高値となり、bsは3.0%の添加で最高値に達した。40℃の場合は、BSで添加量が多いほど高値になるが、bsは0.5~1.0%でほぼ同様な高値に達した。これらの事実はかまぼこのゲル物性に対するプラズマの効果は複雑で、BSとbsを増強する度合がそれぞれの場合で異なることを示す。そこで、BSとbsの比率に相当するゲル剛性(Gs)を求めてBSとの関係を検討した。その結果、スケトウダラの場合はプラズマの添加に関わりなく、 BSとGsの間には良い正の相関が成り立つことが示された。また0.5~1.0%の添加では両値の関係直線は無添加のものより図中左側に位置したが、 3.0~5.0%の添加のものは右側に位置した。一般に左側にあるものは弾力に富む硬さ、右側のものは弾力に劣る硬さの製品に相当する。一方シロザケの場合は、25℃で加熱したときは0~1.0%の添加のものは直線関係を示し、3.0%以上のものは直線関係を示さないが、いずれも無添加のものよりも右側に位置した。40℃のときは0~5.0%添加の全てが直線関係を示さず、図中右側に位置した。これらの結果は、プラズマによるかまぼこの品質改良効果は、原料魚種や加熱条件によって異なり、ゲルの構造特性を反映していることを推定させた。