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肉糊の水伸し(タンパク質の濃度減少)により加熱ゲルの物性に起こる特徴的変化.

論文要旨&講演要旨

肉糊の水伸し(タンパク質の濃度減少)により加熱ゲルの物性に起こる特徴的変化.
平成17年度日本水産学会大会講演要旨集,p157
北上誠一,村上由里子,新井健一(すり身協会),安永廣作(中央水研),加藤登(東海大海洋),木村郁夫(日水中研)

目的

食品蛋白質のゲル化は、加熱温度、濃度及びpHなどによって左右される。肉糊の水伸しによる濃度の減少は加熱ゲルのテクスチャーの改良に関わる。そこで解凍したすり身に加水して調製した加熱ゲルの物性を詳細に調べた。しかし、水伸しの際には、蛋白質だけでなく、すり身中の糖質及び水分量なども変動する。そこで水伸しによる肉糊のゲル形成能と調製される加熱ゲルの一般成分の変化との関連を追及した。

方法

水伸しによって水分、蛋白質及び糖の濃度が変化する配合組成、蛋白質濃度は同じで、他の二成分濃度が変化する組成、また水分と蛋白質濃度が同じで、糖濃度だけが変化する組成にした肉糊について、その加熱によるゲル形成能を比較した。すなわち、3%のNaClを含む肉糊を25℃で数時間にわたり予備加熱後、90℃で30分加熱して、加熱ゲルを調製した。ゲルの破断強度(BS)と破断凹み(bs)の最大値を求め、ゲル剛性(BS/bs)を計算し、BSと Gsとの間に成立つ関係直線(及び図中での位置)からゲル形成能を評価した。

結果

(1)加水(水伸し)に伴って起こる加熱ゲルの物性値(BSとGsの最大値)の低下は、蛋白質濃度の減少に比例する。糖濃度の増加でも低下するがその度合は小さい。
(2)加熱ゲルのBSとGsの関係直線が図中で左方に移動する(加熱ゲルは変形し易く壊れ難い物性になる)のは、水分含量の増加と相関する。
(3)糖の添加に伴う相対的な水分量の減少は、上記(2)と逆の相関を示す。
(4)加熱ゲルのタンパク質濃度はBSあるいはGsと相関するが、bsとは相関しない。
(5)加水した加熱ゲルでは、BS=a・GS-bの一次式が成立し、a値は良い等級からのものほど大きい。