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NATIONAL SURIMI MANUFACTURERS ASSOCIATION

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原料魚に由来すると考えられる危害の認識

スケトウダラ冷凍すり身において原料魚に由来すると考えられる危害には、(1)魚が保有する“病原細菌”、(2)魚体内に内在する“寄生虫”、(3)筋肉中で産生される“毒素 ”がある。

しかし、スケトウダラの冷凍すり身においては下記の理由によりこれらを危害として認識する必要はない。

1) 病原細菌

これらの病原細菌は魚そのもの(魚に限ったことではないが)が病原細菌の保有生物であることから危害に該当すると考えられる。
しかし、最終製品製造の加熱工程において殺菌または受容可能なレベルまで削減されることから危害と認識する必要はない。

2)寄生虫

スケトウダラの肝臓表面に寄生するアニサキスおよび混獲の可能性があるマダラやホッケの筋肉中に存在するシュードテラノーバが該当する。
しかし、冷凍すり身の製造工程において行われる採肉および精製処理(リファイナーによる分離精製)において失活し、また、その後の凍結工程や 最終製品において行われる加熱工程により衛生上の危害発生は防止可能となることから危害と認識する必要はない。

3)毒素

原料魚由来の毒素についてはサバ毒素およびシガトキシンが該当する。サバ毒素はヒスタミンの高い筋肉中において産生されやすく、ヒスタミンは筋肉中に存在する酵素(ヒスチジン脱炭酸酵素)の働きによってヒスチジン(アミノ酸の一種)から産生される。 サバ毒素を産生しやすい魚種はマグロ、サバ、カツオ等のサバ科の魚に代表される。
冷凍すり身におけるサバ毒素の危害はヒスチジン含量の比較的高いサバ・イワシ・アジ・ホッケにおいて考慮する必要がある。しかし、スケトウダラにおいては 魚肉中に含まれるヒスチジンの含量が少ないこと、また、ヒスチジンは冷凍すり身の製造における水晒し操作によって水中に溶出することから水晒しによってヒ スチジン含量が1/3から1/4に減少することからその影響については無視可能であり、危害と認識する必要はない。
なお、サバ毒素の産生を防止するためには漁獲後の速やかな冷却処置が必要であり、 死後6時間以内にヒスチジン脱炭酸酵素の形成が抑制可能な10℃以下まで冷却すること望ましいとされている。

シガトキシンは熱帯および亜熱帯の珊瑚礁に棲む肉食魚が産生する毒素であり、スケトウダラにおいては該当しないことから危害と認識する必要はない。

参考資料

表・脊椎動物の種に関連する潜在的危害:
「FDA 魚介類および魚介類製品の危害および管理のガイド」(社) 大日本水産会

表・魚類(硬骨魚類・軟骨魚類)および鯨類筋肉中の遊離アミノ酸含量:
「魚介類の微量成分」恒星社厚生閣

表・水産動物筋肉の遊離アミノ酸含有量:
「水産食品学」恒星社厚生閣

表・水産動物筋肉の含窒素エキス成分:
「水産加工」建帛社

表・スケトウダラの部位別遊離アミノ酸含量:
「魚介類有効栄養成分利用技術研究成果の概要」水産庁研究部研究課

以上

2001.11.01